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温度応答性ゲル粒子の相転移による物性評価

薬剤から薬物放出を制御する技術で、温度などの刺激による薬物放出技術や、薬物が溶け出すタイミングを投与してからの経過時間によってコントロールする徐放技術があります。温度応答性を持つPoly(N-isopropyl acrylamide)ゲル微粒子(PNIPPAm)を重合促進剤の使用・不使用の2種類の方法で合成し、粒子径・ゼータ電位の温度グラジエント測定をおこない、各粒子の物性を評価しました。測定は、20℃から加温し50℃までおこないました。重合促進剤にはN,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)を用いました。

平均粒子径は、低温側で重合促進剤使用・不使用の違いが顕著に表れた結果となりました。重合促進剤を使用した場合は、未使用に比べ最大2倍近くの差が認められました。温度を上げるにしたがってその差は小さくなり、34℃付近から高温側ではほぼ同じ値を示しました。
ゼータ電位は、低温側で重合促進剤の使用・未使用でほぼゼロの値を示し違いは見られませんでしたが、34℃付近から高温では未使用ものはマイナス符号を持ったまま絶対値が大きくなるなり、使用のものはプラス符号を持ったまま絶対値が大きくなる結果が得られました。これは重合促進剤のTEMEDの影響が表れたものと考えられます。
以上の結果から、重合促進剤の使用・不使用や、種類によってゲル粒子の表面電位が変化することが推測され、ゼータ電位や粒子径測定が物性評価に有効であることが考えられます。

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