尿素の分解
電荷を持たない「中性物質」を評価できます
尿素は、電荷を持たない、普通は中性と考えてよい化合物です。生物科学分野では、タンパク質の変性剤として、その濃厚水溶液が愛用されてきました。 ところで、尿素<(H2N)2CO>とシアン酸アンモニウム<NH4OCN>の両者は、化学組成が同じことからも想像されるように、相互に異性体の関係にあります。異性化ですから、尿素の水溶液中に、少量のシアン酸イオンそしてアンモニウムイオンが生じてくることは、極めて自然なことなのです。しかし、シアン酸塩イオンは、タンパク質のアミノ基と反応しますし、加水分解を受けると、炭酸イオンやアンモニウムイオンに変化します。したがって、それらの消長をモニタリングすることは、有意義です。今回、最も手軽な手段、キャピラリー電気泳動法を用いた例を紹介します。
図1 尿素8M-ボラックス20mM(pH10.0)の水溶液を調製し、
その直後(図1a/原液)と室温放置1週間後(図1b/原液のエレクトロフェログラム)
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