紫外線による影響度(分光放射照度)
絵に使用される顔料は光によって影響を受けることが知られています。中でも紫外線は光が持っているエネルギーが大きく、顔料に照射されると化学結合が破壊され褪色を生じさせ、絵においては本来の色みを失わせてしまうことがあります。図1は光の波長によって生じる損傷度合を表したものです。紫外線を含む短波長側に近づくに従い損傷の影響が大きいことが分かります。一方で400nm以上の可視側でも度合いは小さいながらも損傷を生じさせることがあります。 美術館などで用いられる照明は美術品の褪色を避けるために、紫外線を含まない光源が使用されています。照明から放射される光のうちどれくらい紫外線が含まれているかは、照明の分光放射照度を評価することで把握することができます。 図2は異なる光源を分光放射照度測定システムを用いてそれぞれ評価した結果です。光源によって波長毎の光強度(放射照度)が異なり、紫外線が含まれる割合は異なっていることが分かります。
図1 光の波長による損傷度合い
図2 光源の違いによる分光放射照度
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