インクの吸着性(ゼータ電位)
「定着力・発色力」を評価できます
インクジェットプリンタはパソコンやデジタルカメラから文書・画像を手軽に出力できるため、オフィスや家庭で広く使われています。インクジェットプリンタ用紙にはマット紙や光沢紙、写真用紙といったように用途に応じた様々な種類があります。いずれもベースは紙ですが、その表面にインクの定着や発色をよくするための各種コーティングが施されています。一般に固体表面の電荷と粒子が持つ電荷の符号が異なる場合には、静電的相互作用によって固体表面に粒子が吸着しやすくなることが知られています。そのためインクジェットプリンタ用紙の表面ゼータ電位を測定することは、用紙(固体表面)へのインク(粒子)の吸着性を検討するために有用な方法として用いられています。
図1では同一メーカーより市販されている4種類のインクジェットプリンタ用紙について表面ゼータ電位を測定したものです。各プリンタ用紙をスライドガラス上に固定し平板試料測定用セルにセットし、モニター粒子を分散した10mM NaCl水溶液中で測定を行いました。今回測定したプリンタ用紙のゼータ電位は普通紙と写真用紙でほぼ0mV、マット紙では約24mV、光沢紙では-18mVとなりました。このようにインクジェットプリンタ用紙は種類によって表面ゼータ電位が大きく異なっており、この差は用紙表面を処理したコーティング材料の違いに由来しています。
図1 各サンプルのゼータ電位
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