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動的光散乱法によるIgG抗体の熱転移評価

抗体は糖タンパク分子で、特定のタンパク質などの抗原を認識して結合する働きをもち、感染防御機構において重要な働きをしています。
それらの抗体の会合体は、その機能に影響を与えます。そのため、抗体の物性評価は重要になっています。

今回、牛由来のIgGを用いて動的光散乱法により粒子径とゼータ電位測定をおこない熱転移の様子を検討しました。

図1にIgGの平均粒子径とゼータ電位の温度依存性を示します。その結果、IgGの平均粒子径は20℃から62℃まで約15nmでほぼ一定になっています。
64℃より高い領域では、IgGのそれは大きくなり68℃で数μmの会合・凝集体を形成しています。このプロットからIgGの熱転移温度は62℃であることが分かります。
また、ゼータ電位の変化も平均粒子径と同じような変化をしています。
図2に各温度におけるIgGの粒子径分布の重ね書きを示します。その結果、IgGの温度により段階的に会合・凝集していることが分かります。

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