【入門】 キャピラリー電気泳動
7.キャピラリー電気泳動のメリットは?
キャピラリーは細い管です。その管の内部で電気泳動をおこなうため、サンプルは少量ですみます。また、高電圧をかけることができるため、短時間に高分離能で測定が可能という特長を持っています。
他の分離分析法と比較しても、多くのメリットを持っています。例えば、
1.前処理の簡略化
2.同一サンプル中の陽イオン・陰イオンの連続分析可能
3.多モード連続自動分析可能
などです。加えて、高価な有機溶媒を使用しないため経済的であり、廃液処理の問題も非常に少なくてすみます。
■ 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)との比較
【 図 7 】 漢方薬の分析
HPCE | HPLC | |
測定時間 | 短い | 長い |
分離能(理論段数) | 数千~数万 | 数千~数百万 |
最小試料量 | 数μL~ | 数mL~ |
インジェクト量 | 4nL~ | 数μL~ |
溶離液 | 少量(緩衝液) | 多量(溶媒) |
■ イオンクロマトグラフィー(IC)との比較
HPCE | IC | |
測定時間 | 陰イオンで 2~8分 | 陰イオンで 5~30分 |
前処 | 右欄のような前処理は 不要 |
妨害有機物、カウンタイオン の除去 カラム保護のための前処理 を要する場合もある |
陰イオン・陽イオン 同時分析 |
緩衝液、印加極性 切り換えで 容易に可能 |
不可 カラム交換が必要 |
一価・二価陽イオン分析 遷移金属・希土類分析 |
緩衝液切り換えで 容易に可能 |
溶離液、カラム、検出器などの 交換が必要 |
ランニングコスト | 緩衝液の使用量が 少ないので経済的 |
溶離液の使用量が多い (1~2mL/min) |
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