【入門】 キャピラリー電気泳動
5.キャピラリー電気泳動における分離方式<等電点>
キャピラリー内に、様々な等電点を持つ両性電解質(ampholyte)と試料の混合物を満たします。プラス極は酸に浸します。それは、両性電解質の中で最も等電点が低いものより、さらに酸性の強いものでなければなりません。マイナス極には、塩基を満たします。こちらでは、最も等電点の高い両性電解質よりも塩基性が強いことが、求められます。両電極に電場を掛けると、酸性のものはプラス極へ、塩基性のものはマイナス極に泳動します。これは、添加した両性電解質と試料成分の何れについても云えることです。やがて、各両性電解質と試料各成分は自己の荷電がゼロになるpHの位置で停止します。この様にして、試料各成分を、それらの等電点に基づいて分離することが可能です(図6)。
【 図6 】
試料各成分を含む媒体は、はキャピラリー内に止まります。そこで、媒体をポンプを用いて押し出す、あるいはプラス極側の電極液をマイナス極側のそれに替える、あるいは逆を行って、媒体のpHを変化させて、試料各成分を電気泳動によって移動させる、といった処置によって、検出が行われます。この方式は、タンパク質あるいはペプチドの混合物を対象として行われることが多いようです。種類によって、種々様々な等電点を持つ点では、タンパク質やペプチドの右に出るものはありません。分離ばかりでなく、タンパク質の等電点の決定にも活用されています。
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