【入門】 キャピラリー電気泳動
1.キャピラリー電気泳動(capillary electrophoresis: CE)とは?
シリカ製の中空キャピラリー(内径100μm以下;長さ約80cm)内に緩衝液(buffer)を満たします。キャピラリーの片端に、極微量の試料を加えてから、両端に電圧(-30~+30kV)を掛け、電気泳動をおこないます(図1)。
【 図 1 】
移動速度は、試料成分毎に、荷電、大きさ、形といった特性の違いにより、多くの場合に差異があります。このために、多様な試料成分を分離することができます。キャピラリーの他端で、移動してくる試料成分を検出します。種々様々な検出方法が使用されていますが、もっとも基本的であるのは吸光度測定であり、フォトダイオードアレイあるいはフォトマルで検出が行われています。電場を掛け始めてから検出されるまでの時間、ピークの高さ・面積、そして吸光スペクトルにより、各成分の定性・定量が可能です。
試料の分離が起こる原因は様々であり、キャピラリー電気泳動では、それらを巧みに使い分けて、活用しています。試料成分のどのような特性に主として着目するかによって、キャピラリー電気泳動を、五種の方式に大別することができます。それぞれにおいて、着目する特性は、電気泳動(electrophoresis)、動電クロマトグラフィー(electrokimetic chromatography)、分子ふるい(molecular sieving)、等電点(isoelectric point)、等速電気泳動(isotachophoresis)です。
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