【入門】 ゼータ電位
2.ゼータ電位はどうやって求めるの?
帯電した粒子が分散している系に、外部から電場をかけると、粒子は電極に向かって泳動(移動)しますが、その速度は粒子の荷電に比例するため、その粒子の泳動速度を測定することによりゼータ電位が求められます。
ここで説明します電気泳動光散乱測定法は別名レーザードップラー法と呼ばれ、『光や音波が動いている物体に当たり反射したり散乱すると、光や音波の周波数が物体の速度に比例して変化する』という“ドップラー効果”を利用して粒子の泳動速度を求めています。電気泳動している粒子にレーザー光を照射すると粒子からの散乱光は、ドップラー効果により周波数がシフトします。シフト量は粒子の泳動速度に比例することから、このシフト量を測定することにより粒子の泳動速度がわかります。
実際に、屈折率(n)の溶媒に分散した試料に、波長(λ)のレーザー光を照射し、散乱角(θ)で検出する場合の、泳動速度(V)とドップラーシフト量(Δν)の関係は次式で表されます。
Δν= | 2Vn sin(θ/2) ─────── λ |
・・・ (1) |
[n:溶媒の屈折率,θ:検出角度]
ここで得られた泳動速度(V)と電場(E)から電気移動度(U)が求められます。
U=V/E ・・・ (2)
電気移動度(U)からゼータ電位(ζ)へは、次式のSmoluchowskiの式を用いて多くは求められます。
ζ= | ηU ───── εrε0 |
・・・ (3) |
[η:溶媒の粘度,εr:溶媒の比誘電率,ε0:真空中の誘電率 ]
このようにして、泳動している粒子からの散乱光を観測することによって、ゼータ電位が求められます。
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