ゼータ電位測定システム ELSZ-2000Z
- 生産終了
- サポート継続中
希薄溶液~濃厚溶液でのゼータ電位測定が可能な装置です。
※資料やカタログダウンロードには会員登録が必要です |
|
- 製品情報
- 原理
- 仕様
- 測定例
- オプション
製品情報
- 最新型高感度APDにより感度アップと測定時間短縮を実現
- 自動温度グラジエント測定により変性・相転移温度解析が可能
- 0~90℃の広い温度範囲で測定が可能
- 懸濁した高濃度サンプルのゼータ電位測定に対応
- セル内の電気浸透流を実測、プロット解析により高精度なゼータ電位測定結果を提供
- 高塩濃度溶液のゼータ電位測定に対応
- 小面積サンプルの平板ゼータ電位測定に対応
界面化学、無機物、半導体、高分子、生物、薬学、医学分野などにおいて、微粒子のみならず、フィルムや平板状試料の表面科学を取り扱う基礎研究、応用研究に最適です。
- 新規機能性材料分野
燃料電池関連(カーボンナノチューブ、フラーレン、機能性膜、触媒、ナノ金属)
バイオナノ関連(ナノカプセル、デンドリマー、DDS、バイオナノ粒子)、ナノバブルなど
- セラミックス・色材工業分野
セラミックス(シリカ・アルミナ・酸化チタンなど)
無機ゾルの表面改質・分散・凝集制御
顔料(カーボンブラック・有機顔料)の分散・凝集制御
スラリー状サンプル
カラーフィルター
浮遊選鉱物の捕集材吸着の研究
- 半導体分野
シリコンウェハー表面への異物付着のメカニズム解明
研磨剤や添加剤とウェハー表面との相互作用の研究
CMPスラリー
- 高分子・化学工業分野
エマルション(塗料・接着剤)の分散・凝集制御、ラテックスの表面改質(医薬用・工業用)
高分子電解質(ポリスチレンスルフォネート・ポリカルボン酸など)の機能性の研究、機能性ナノ粒子
紙・パルプの製紙工程制御およびパルプ添加材の研究
- 医薬品・食品工業分野
エマルション(食品・香料・医療・化粧品)の分散・凝集制御、タンパク質の機能性
リポソーム・ベシクルの分散・凝集制御、界面活性剤(ミセル)の機能性
原理
溶液中の粒子に電場をかけると、粒子が持つ電荷に応じた電気泳動が観測されるため、この電気泳動速度からゼータ電位・電気泳動移動度が求められます。 電気泳動光散乱法では、電気泳動している粒子に光を照射し、得られる散乱光のドップラーシフト量から電気泳動速度を求めるため、レーザードップラー法とも呼ばれています。
電気浸透流とは、ゼータ電位測定中セル内で起きる溶液の流れのことです。セル壁面が帯電していると溶液中の対イオンがセル壁面に集まります。電場がかかると対イオンは反対符号の電極側へ、セル中央付近はその流れを補うため逆の流れが生じる現象です。 粒子の見かけの電気泳動移動度を実測し、電気浸透流を解析することで、試料の吸着や沈降などのセル汚れの影響を考慮した正しい静止面を求め、真のゼータ電位・電気泳動移動度が求められます。 (森・岡本の式参照)
森・岡本の式
電気浸透流を考慮したセル内の泳動速度解析
Uobs(z)=AU0(z/b)2+⊿U0(z/b)+(1-A)U0+Up
z:セル中心位置からの距離
Uobs(z):セル中の位置zにおける見かけの移動度
A=1/[(2/3)-(0.420166/k)]
k=a/b:2aと2bは電気泳動セル断面の横と縦の長さ.但し、a>b
Up:粒子の真の移動度
U0:セルの上下壁面における平均移動度
⊿U0:セルの上下壁面における移動度の差
ELSZシリーズではセル内の多点での見かけの電気泳動移動度を実測しているため、測定データ内でゼータ電位分布の再現性確認や、ノイズピーク判定も可能です。
平板セルは、箱状の石英セルの上面に、平板試料を密着させて一体化できる構造になっています。 セルの深さ方向の各レベルでモニタ-粒子の見かけの電気泳動移動度を実測し、得られた電気浸透プロファイルから固体界面における電気浸透流の速度が解析され、平板試料表面のゼータ電位が求められます。
光が透過しにくい濃厚試料や有色試料については多重散乱や吸収などの影響によりELSシリーズでは測定が困難でした。
現在、ELSZシリーズの標準セルは希薄系から濃厚系まで幅広く測定することが出来るようになりました。さらに高濃度の試料については、FST法*を採用した濃厚系セルにてゼータ電位測定が可能となりました
仕様
仕 様
測定原理 | 電気泳動光散乱法(レーザードップラー法) | |||
光学系 | ヘテロダイン光学系 | |||
光源 | 高出力半導体レーザー | |||
検出器 | 高感度APD | |||
セル | 標準セル、微量ディスポセルもしくは濃厚系セル | |||
温度 | 0 ~ 90℃ (グラジエント機能あり) | |||
電源 | 100V ± 10% 250VA | |||
寸法(WDH) | 380(W)×600(D)×210(H) | |||
重量 | 22 kg |
ゼータ電位 | -200 ~ +200 mV | |||
電気移動度 | -2×10 -5 ~ 2×10 -5 cm2/V・s |
●測定範囲
測定温度範囲 | 0 ~ 90℃ | |||
測定濃度範囲 | ゼータ電位:0.001%~40% |
*1(Latex112nm: 0.00001 ~ 10%、タウロコール酸: ~ 40%)
希薄試料及び高塩濃度試料に対応したセルユニット。
pHタイトレータや極性溶媒への対応可能。
セル断面積を小さくし、電極面積を大きくすることで、生理食塩水はもちろんのこと、1000mM NaCl水溶液中の粒子のゼータ電位測定が可能。
ゼータ電位用微量ディスポセルを標準で選択可能。
・業界初!!電気浸透流を実測できるゼータ電位用微量ディスポセル。
・微量(130μL〜)で測定可能。
・塩濃度100mMまでのゼータ電位測定が可能。
【 ゼータ電位用微量ディスポセルユニットを用いた測定例はこちら 】
特許技術 FST法※により標準セルでは測定困難な濃厚懸濁試料に対応。
有機溶媒対応のディスポセルを採用。
【 ゼータ電位用濃厚系セルユニットを用いた測定例はこちら 】
測定例
塩濃度100mMラテックスの電気浸透流プロットとゼータ電位分布
マイナスに荷電したガラス板表面電位の測定結果(BLANK測定) ゼータ電位=-26.5mV:(10mM NaCl溶液)
ガラス板表面のマイナス電荷がCTABのプラス電荷により中和された状態 ゼータ電位=+4.2mV:(1×10-5mol/l CTABを含む10mM NaCl溶液)
ガラス板表面に過剰のCTABが吸着し、表面がプラスに荷電した状態 ゼータ電位=+35.5mV:(1×10-4mol/l CTABを含む10mM NaCl溶液)
コンタクトレンズの平板ゼータ電位測定
毛髪サンプルの平板ゼータ電位測定
オプション
平板状やフィルム状試料の固体表面ゼータ電位を測定するためのセルユニット。
平板セルの片面に固定された固体試料と溶液との界面では、固体試料の表面電荷に依存した電気二重層が形成され、電気泳動の際に電気浸透流が生じます。
セル内の異なる点で見かけの電気移動度を測定し、「森・岡本の式」を用いて電気浸透流を解析することにより、固体試料表面のゼータ電位が求められます。
【 平板用セルユニットを用いた測定例はこちら 】
繊維状サンプルの測定を容易に行えるキットです。
非極性溶媒試料でのゼータ電位測定に対応したセルユニット。
低誘電率10以下の溶剤も対応可能。
pHや添加剤濃度に対する粒子径・ゼータ電位変化を自動測定することが可能。
平板セルとの接続も可能。
等電点評価は自動測定により作業時間短縮が可能。
pH範囲 | pH1~13 | |||
測定モード | 滴定モード・添加剤モード・循環モード | |||
循環流速 | 約10~40mL/min | |||
滴定溶液 | 3種類(酸/アルカリ/添加剤,独立シリンジ制御) | |||
滴定分解能 | 0.1μL | |||
サンプル容量 | 約30mL | |||
pH電極 | ガラス電極 | |||
寸法・重量 | 250(W)×310(D)×290(H)mm 約7.5kg | |||
電源 | AC100V 50/60Hz 55VA |
【 pHタイトレータ(ELSZ-PT)を用いた測定例はこちら 】
- 製品情報
- 原理
- 仕様
- 測定例
- オプション
関連情報
【動画ライブラリ】
・ゼータ電位測定の原理
ゼータ電位を用いた測定技術について原理を中心にご紹介いたします。
・タンパク質のゼータ電位測定
ゼータ電位を用いてタンパク質の吸着を評価する方法を測定例を含めてご紹介します。
・色材のゼータ電位測定
濃厚な色材の評価や最適な分散剤評価、染料の吸着状態の評価について
ゼータ電位測定を用いてご紹介します。
・フィルムのゼータ電位測定
包装用や機能性フィルムなどの評価をゼータ電位測定を用いてご紹介します。
関連製品
ゼータ電位・粒子径・分子量測定システム ELSZneo | |
ゼータ電位・粒径・分子量測定システム ELSZ-2000ZS | |
粒径・分子量測定システム ELSZ-2000S |