インライン分光計測システム -品質を向上する為に-
4.インライン分光計測システム
当社では、分光計測器を用いたインライン分光計測システムを提供しています。以下に単体タイプ、トラバースタイプおよびファイバー切替器タイプをご紹介します。
(1) 単体タイプ(図8)
(図8)
単体タイプは、ファイバー切替器またはトラバースを使用しない計測システムで、例としては透過1点計測システム、光源を2台用いてシャッター機構により測定ポイントを切替える反射計測システム等があります。組合せによってさまざまな計測システムが可能です。
(2) トラバースタイプ(図9)
(図9)
トラバースタイプでは、透過率測定の場合は2台のトラバースを上下に配置し、投光および受光ファイバーを設置します。受光側に積分球を設置する場合もあります。一方、反射率測定の場合は、1台のトラバースにY型ファイバーを設置します。トラバースをサンプルの幅方向に動かし、任意のポイントで計測を行います。
トラバースタイプには、計測位置および計測ポイント数を任意で設定可能であるため、自由な計測が可能となります。また、光量が強く、計測時間が短いといった特長があります。
(3) ファイバー切替器タイプ(図10)
(図10)
ファイバー切替器タイプでは、光源の光を多分岐ファイバーにより分岐させます。透過率計測の場合は投光ファイバーによりサンプルに光を照射し、対向させた受光ファイバーにより透過光を受光します。こちらも受光側に積分球を設置する場合があります。透過光は一度ファイバー切替器に入り、検出器で検出されます。一方、反射率計測の場合はY型ファイバーによりサンプルに光を照射し、サンプルからの反射光を受光します。受光した光は透過率測定時と同様に一度ファイバー切替器に入り、検出器で検出されます。どちらの計測の場合あっても、ファイバー切替器で計測するポイントを変えることで複数ポイントの計測を行えます。
ファイバー切替器の内部はファイバーが対向して設置されており、その間には穴の開いた円盤があります。サンプルからの透過光または反射光は、常にすべてのファイバーから出ていますが、円盤を回転させて穴の位置を計測ポイントのファイバーに合わせ、それ以外の光を受光しないようにすることでポイント別の計測が可能となります。
ファイバー切替器タイプには、計測部分が稼動しないため、真空チャンバー内の計測にも対応が可能です。また、省スペースなのでさまざまな場所に設置する事が可能といった特長があります。
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