各種計測機器ならびに検査機器の製造販売をおこなう大塚電子株式会社(本社:大阪府枚方市、代表取締役社長:大河原 敏治)は、このほど「反射分光干渉法を用いた三次元形状体へのコーティング厚みの非破壊測定」の業績に対し、トライボコーティング技術研究会、未来生産システム学協会(NPS)などからなる岩木賞審査委員会が選定をおこなう「第10回岩木トライボコーティングネットワークアワード(岩木賞)」の優秀賞を受賞いたしました。
「反射分光干渉法を用いた三次元形状体へのコーティング厚みの非破壊測定」の業績は、独自の「顕微反射分光方式」によって、形状のある実サンプルに被覆されたDLCなどコーティング膜の厚みの、非破壊・非接触、高精度・高速での測定を実現した技術が認められたものです。
実際のコーティング対象となる材料は三次元形状を持っており、従来法である平板のモニター・サンプルを用意してのボールによる研磨式試験法やSEMといった破壊検査手法では対応できません。本業績では、独自の顕微反射分光方式を用い、かつ最小3μmの測定径で、三次元形状を持つ材料であってもオートフォーカス機能によるスキャニングで非破壊・非接触での各箇所の膜厚測定を実現しました。膜厚だけでなく光学定数(屈折率、消衰係数)といった膜由来の構造解析も可能で、機能性フィルム、プラスチック、半導体、電池材料、光学材料、自動車部品、ディスプレイ用部材、医用部材など、幅広い応用が可能なことが評価されました。
岩木賞は、未来生産システム学協会が表面改質、トライボコーティング分野での著しい業績を表彰するもので、当該分野で多大な業績を上げた故・岩木正哉博士(理化学研究所元主任研究員、トライボコーティング技術研究会前会長)の偉業を讃えて、トライボコーティング技術研究会が提唱して2008年度に創設されました。
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