「入門」 偏光とリタデーション
5.遅相軸、進相軸とリタデーション
複屈折性の物質で、屈折率が高い方向を遅相軸(Slow Axis)、屈折率が低い方向を進相軸(Fast Axis)といいます。また、遅相軸と進相軸を合わせて光学軸または軸といいます。
遅相軸あるいは進相軸方向に直線偏光を入射する場合、物質内部では屈折率により光の速度は低下しますが、物質透過後は同じ空気中ですので元の速度に戻ります。したがって、位相差は生じません。
遅相軸あるいは進相軸と異なる方向に直線偏光を入射するとx成分とy成分で光速度が異なるため、物質を透過すると位相差が生じます。
この位相差は軸に対して方位角45°の時に最大となります。
複屈折性物質による位相差を複屈折位相差「リタデーション(Re )」といいます。
実際には物質の屈折率は光の波長により異なるため、当然波長によりリタデーションも異なります(リタデーションの波長分散)。
図5.遅相軸・進相軸とリタデーション
関連製品
リタデーション測定装置 RETS-100nx | |
セルギャップ検査装置 RETS series | |
高速リタデーション測定装置 RE-200 |